セリム一世
セリム一世 SelimⅠ
生没年1470年〜1520年(在位1512年〜1520年)。オスマン・トルコ第9代皇帝。対外戦争によって積極的に領土拡大に乗り出し、8年の短い統治の間にオスマン帝国の領土をほぼ3倍に広げた。
まず1514年、西アジアに勢力を伸ばしてきたイラン(ペルシャ)のサファヴィー朝を破りアナトリア半島(小アジア)を統一、さらにイラク北部を奪った。
1516年にシリアに進出し、エジプトとレヴァントを支配するマムルーク朝との戦いに勝利し、翌1517年には首都カイロを陥落させマムルーク朝を滅ぼした。その際にセリム一世はカイロで飲まれていたコーヒーをコンスタンティノープルの宮廷に持ち帰ったと伝えられている。また、マムルーク朝の勢力下にあったメッカやメディナを含むアラビア半島の紅海岸一帯がオスマン・トルコの統治下に入り、こうして16世紀のコーヒー文化圏はオスマン・トルコの勢力圏と重なることになった。
その後、トルコでは宗教的・政治的理由で数回のコーヒーとカフェに対する禁止令が発布されたものの、コーヒーは交易と文化交流を通じて巨大なトルコ帝国の全域に浸透していった。
コーヒーとカフェの文化は、主にトルコからヨーロッパへと伝わり、さらに世界飲料として広がっていった。トルコの果たした役割は大きい。
参照文献:
・Wikipedia:セリム一世(日本語、英語)
・『ALL ABOUT COFFEEコーヒーのすべて』ウィリアム・H・ユーカーズ著 山内秀文抄
訳 角川ソフィア文庫
・AramcoWorld:ピエトロ・デッラ・ヴァッレ 好奇心あふれる巡礼者 キャロライン・ス
トーンCaroline Stone