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2025年3月3日 (月) 14:16時点における版
*コラム:業務用コーヒー・ミル開発の進展
コーヒーを粉砕する小型のミルが16世紀に出現した(ターキシュ・ミル)。コニカル・カッター式の手動ミルである。広くコーヒー・ミルとして発展する。19世紀にはフランスのプジョーが小型のコーヒーミルの製造を開始して主に家庭用として広く普及した。一方、コーヒーをキログラム単位で挽く必要がある業務店や焙煎会社では、より大きく効率的なコーヒー・ミルの必要性を感じていた。1870年アメリカのエンタープライズ社が鋳鉄と真鍮でできている重くて頑丈で安定感のある業務用エンタープライズミル(手動式)を開発して、これが多くの大型レストランへ普及した(コニカル・カッター式)。
産業革命で開発された蒸気エンジンを動力にしたミルが現れた。ミルに大型のホイールが装備されることにより蒸気エンジンとベルトによりミルの駆動力が増加されて大量のコーヒーを注文に応じて粉砕することが可能になった。しかし、音が大きいために19世紀末に現れた静音性の高い電動モーターにより代替がなされた。最初の業務用電動ミル(ミルと電動モーターが一体化)は、長年にわたり業務用ミルに特化していたフィラデルフィアの鋳造所であるエンタープライズ工業社Enterprise Manufacturing Companyによって、1897年にニューヨークで製造がなされた。その後、モーターの小型化やフラット・カッターの方式粉砕機構の導入により業務用コーヒー・ミルは大きく進展し現在に至る。 (高橋孝夫)
参考文献
- William H. Ukers, ”All About Coffee” 1922 New York
- Espresso Elevator (Episode 19) Grain to grind (2/3)
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