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「トルコ式コーヒー」の版間の差分

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=='''トルコ式コーヒー'''Turkish coffee==
=='''トルコ式コーヒー'''Turkish coffee==


 トルコや中東諸国で伝統的に飲まれているボイル式コーヒーの一種。極細挽きのコーヒー粉をジェズヴェ(<nowiki>[[イブリック]]</nowiki>)に入れ、水から煮立て上澄みをフィンジャンという小ぶりの磁器に移して飲む。 (高橋孝夫)
トルコや中東諸国で伝統的に飲まれているボイル式コーヒーの一種。極細挽きのコーヒー粉をジェズヴェ([[イブリック|ジェズヴェ]])に入れ、水から煮立て上澄みをフィンジャンという小ぶりの磁器に移して飲む。 (高橋孝夫) 


'''参照文献'''
==== '''参照文献''' ====


・Jean de Thévenot ''“Voyages de M.Thévnot en Europe, Asie, Afrique”''  1664 Paris
* Jean de Thévenot ''“Voyages de M.Thévnot en Europe, Asie, Afrique”''  1664 Paris
* Wikipedia:トルココーヒー


・Wikipedia:トルココーヒー
 
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=== '''「コラム」:トルコ式コーヒーの器具と抽出法''' ===


'''「コラム」:トルコ式コーヒーの器具と抽出法'''
==== 器具 ====


器具、
* 焙煎器具:板状の焙煎器具(ローストパン)、
* 粉砕器具:シリンダー状の携帯用コーヒーミル(トルコミル)
* 抽出器具:特徴ある長い柄の付いた金属製抽出機器、Ibrik(イブリック)あるいはJezve(ジュズヴェ)
* カップ :磁器の小ぶりのカップ( Finjan フィンジャン)が一般的に使用される。


・焙煎器具:板状の焙煎器具(ローストパン)、
ここで使用された器具(焙煎、粉砕、抽出)は、以降現在も使用されている家庭用や商業用のコーヒー機器類の原点となる。[[ファイル:トルココーヒー抽出器.png|代替文=トルコ式コーヒーの抽出器具イブリック。All About Coffee 1922より。|サムネイル|184x184px|トルコ式コーヒーの抽出器具イブリック。All About Coffee 1922より。]]
[[ファイル:ローストパン2.jpg|代替文=バクダットローストパンと攪拌用ローストスプーン。(長さ約34インチ(86 cm)のハンドルと直径8インチ(20 cm)のボウル。脚置とコーヒー豆をかき回すための金属製のスプーン(へら)が付属)|左|サムネイル|バクダットローストパンと攪拌用ローストスプーン。長さ約34インチ(86 cm)のハンドルと直径8インチ(20 cm)のボウル。脚置とコーヒー豆をかき回すための金属製のスプーン(へら)が付属。All About Coffee 1922より。|207x207ピクセル]]
[[ファイル:ミル3.jpg|代替文=トルコミル。All About Coffee 1922より。|サムネイル|229x229ピクセル|トルコミル。All About Coffee 1922より。|中央]]
[[ファイル:フィンジャン.jpg|代替文=トルココーヒーの磁器カップ「finjan」。All About Coffee 1922より。|サムネイル|258x258px|トルココーヒーの磁器カップ「finjan」。All About Coffee 1922より。]]


・粉砕器具:シリンダー状の携帯用コーヒーミル(トルコミル)


・抽出器具:特徴ある長い柄の付いた金属製抽出機器、Ibrik(イブリック)あるいは


Jezve(ジュズベ)
==== 抽出方法 ====


・カップ :磁器の小ぶりのカップ( Finjan フィンジャン)
* ジェズヴェに約6-8グラムの微粉砕のコーヒー粉、約60-100ミリリットルの水を入れてかき混ぜる。同時に砂糖を加える。
* ジェズヴェを火にかけて煮立たせ、泡を残した状態でカップに注ぎ入れる。
* コーヒーの粉がカップの底に沈むのを待ってから飲む。


が一般的に使用される。
煮立て中に香料としてシナモンやクローブなどを加えても良い。ジェズヴェを加熱する際には熾火と灰を使うのが伝統的手法である。コーヒーを飲み終わった後には、カップの底に残るコーヒー粉の形状から占う「トルココーヒー占い」が行われる場合もある。


ここで使用された器具(焙煎、粉砕、抽出)は、以降現在も使用されている家庭用や商業用のコーヒー機器類の原点となる。
なお粉砕したコーヒーを沸騰したお湯で抽出する方法は、一般にデコクションdecoction、ボイル式(抽出方式の分類)と呼ばれる。現在の様々なコーヒー抽出法の原点になる(抽出方式の分類の説明へ)。(高橋孝夫)


==== 参考文献 ====


抽出方法、
* Wikipedia(2023.12.02)トルココーヒー:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC
* Wikipedia(2023.12.01) ジェズヴェ:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%BA%E3%83%B4%E3%82%A7
* 山内秀文訳解説「All About Coffee コーヒーのすべて」角川ソフィア文庫 (2017), p306-308
* William H. Ukers, M.A. : All About Coffee, The Tea and Coffee Trade Journal  (1922), p616-618  ( THE EVOLUTION OF COFFEE APPARATUS)
* Janathan Morris、龍和子訳:Coffee: A Global History(コーヒーの歴史)、(株)原書房, 2019, p53 - 76


・  ジェズヴェに約6-8グラムの微粉砕のコーヒー粉、約60-100ミリリットルの水を入れてかき混ぜる。同時に砂糖を加える。
・  ジェズヴェを火にかけて煮立たせ、泡を残した状態でカップに注ぎ入れる。
・  コーヒーの粉がカップの底に沈むのを待ってから飲む。
煮立て中に香料としてシナモンやクローブなどを加えても良い。ジェズヴェを加熱する際には熾火と灰を使うのが伝統的手法である。
コーヒーを飲み終わった後には、カップの底に残るコーヒー粉の形状から占う「トルココーヒー占い」が行われる場合もある。
なお粉砕したコーヒーを沸騰したお湯で抽出する方法は、一般にデコクションdecoction、ボウル式(抽出方式の分類)と呼ばれる。現在の様々なコーヒー抽出法の原点になる(抽出方式の分類の説明へ)。
(仮)イブリック (適切な画像を求める)
[[ファイル:Ibriq.png|サムネイル|イブリック]]
バクダットローストパンと攪拌用ローストスプーン
(長さ約34インチ(86 cm)のハンドルと直径8インチ(20 cm)のボウル。
脚置とコーヒー豆をかき回すための金属製のスプーン(へら)が付属)
[[ファイル:Iraq-spoon.png|サムネイル|攪拌用ローストスプーン]]
''' '''
トルコ ミル
[[ファイル:WINWORD 65EQ7x6J3y.png|サムネイル|トルコミル]]
[[ファイル:WINWORD vi25meAtm6.png|サムネイル|フィン=ジャン]]
(仮)トルココーヒーの磁器のカップ「フィン=ジャン(Finjan)」
                     
参考:
・Wikipedia(2023.12.02)トルココーヒー:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC
・Wikipedia(2023.12.01) ジェズヴェ:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%BA%E3%83%B4%E3%82%A7
・山内秀文訳解説「All About Coffee コーヒーのすべて」角川ソフィア文庫 (2017), p306-308
・William H. Ukers, M.A. : All About Coffee, The Tea and Coffee Trade Journal  (1922), p616-618  ( THE EVOLUTION OF COFFEE APPARATUS)
・Janathan Morris、龍和子訳:Coffee: A Global History(コーヒーの歴史)、(株)原書房, 2019, p53 - 76


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2025年3月27日 (木) 18:33時点における最新版

トルコ式コーヒーTurkish coffee

トルコや中東諸国で伝統的に飲まれているボイル式コーヒーの一種。極細挽きのコーヒー粉をジェズヴェ(ジェズヴェ)に入れ、水から煮立て上澄みをフィンジャンという小ぶりの磁器に移して飲む。 (高橋孝夫) 

参照文献

  • Jean de Thévenot “Voyages de M.Thévnot en Europe, Asie, Afrique” 1664 Paris
  • Wikipedia:トルココーヒー
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「コラム」:トルコ式コーヒーの器具と抽出法

器具

  • 焙煎器具:板状の焙煎器具(ローストパン)、
  • 粉砕器具:シリンダー状の携帯用コーヒーミル(トルコミル)
  • 抽出器具:特徴ある長い柄の付いた金属製抽出機器、Ibrik(イブリック)あるいはJezve(ジュズヴェ)
  • カップ :磁器の小ぶりのカップ( Finjan フィンジャン)が一般的に使用される。

ここで使用された器具(焙煎、粉砕、抽出)は、以降現在も使用されている家庭用や商業用のコーヒー機器類の原点となる。

トルコ式コーヒーの抽出器具イブリック。All About Coffee 1922より。
トルコ式コーヒーの抽出器具イブリック。All About Coffee 1922より。
バクダットローストパンと攪拌用ローストスプーン。(長さ約34インチ(86 cm)のハンドルと直径8インチ(20 cm)のボウル。脚置とコーヒー豆をかき回すための金属製のスプーン(へら)が付属)
バクダットローストパンと攪拌用ローストスプーン。長さ約34インチ(86 cm)のハンドルと直径8インチ(20 cm)のボウル。脚置とコーヒー豆をかき回すための金属製のスプーン(へら)が付属。All About Coffee 1922より。
トルコミル。All About Coffee 1922より。
トルコミル。All About Coffee 1922より。
トルココーヒーの磁器カップ「finjan」。All About Coffee 1922より。
トルココーヒーの磁器カップ「finjan」。All About Coffee 1922より。


抽出方法

  • ジェズヴェに約6-8グラムの微粉砕のコーヒー粉、約60-100ミリリットルの水を入れてかき混ぜる。同時に砂糖を加える。
  • ジェズヴェを火にかけて煮立たせ、泡を残した状態でカップに注ぎ入れる。
  • コーヒーの粉がカップの底に沈むのを待ってから飲む。

煮立て中に香料としてシナモンやクローブなどを加えても良い。ジェズヴェを加熱する際には熾火と灰を使うのが伝統的手法である。コーヒーを飲み終わった後には、カップの底に残るコーヒー粉の形状から占う「トルココーヒー占い」が行われる場合もある。

なお粉砕したコーヒーを沸騰したお湯で抽出する方法は、一般にデコクションdecoction、ボイル式(抽出方式の分類)と呼ばれる。現在の様々なコーヒー抽出法の原点になる(抽出方式の分類の説明へ)。(高橋孝夫)

参考文献


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