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「*コラム:フィラデルフィアの初期のコーヒーハウス」の版間の差分

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2025年4月29日 (火) 23:26時点における最新版


フィラデルフィアは、1682年にウイリアム・ペン Willam Pennが建設したペンシルベニア植民地最大の街で、18世紀にはデラウェア川 Delaware Riv.の水運を利用した交易の拠点であり、1750年から1835年の間は北アメリカ最大の都市であった。因みに1750年以前はボストンが、1835年以降はニューヨークが最大の都市である。フィラデルフィアの街の中心は市庁舎からデラウェア川にかけての一帯で、初期のコーヒーハウスの多くもこのあたりで開業した。現在もこの一帯は都市の中心で、独立戦争博物館をはじめ歴史的施設が多い。次に。記録に残るフィラデルフィアの初期のコーヒーハウスを紹介してみたい。


「ブルー・アンカー・タヴァーン  Blue Anchor tavern

コーヒーハウスではないが、大衆に飲み物を提供する初めての店として1683年or1684年に開業した。


「ザ・コーヒーハウス  Ya Coffee House

フィラデルフィアで最初のコーヒーハウスとして、1700年にサミュエル・カーペンター  Samuel Carpenterが開業した。場所はフロント通り Front St.の東側で、商人の客が多く商取引が盛んであった。またウイリアム・ペンに対抗する政治家グループのたまり場でもあった。


最初の「ロンドン・コーヒーハウス  London Coffee House

1702年頃の開業で、店主はジョン・ショーパート John Shewbert、フロント通り Front St.とマーケット通り Market St.の交差する場所にあった。ただし場所に関しては別の説もある。イギリス国教会の人々やウイリアム・ペンの信奉者の集会場所であり、店内は上流クラブの趣があり裕福な市民の社交場でもあった。


「ロバーツ・コーヒーハウス Robert’s Coffee House

フロント通り Front St.に1740年頃開業。


「ジェームズ・コーヒーハウス  James Coffee House

フロント通り Front St.とウォルナット通り Walnut St.の角に1744年開業。


二番目の「ロンドン・コーヒーハウス  London Coffee House

2番目の「ロンドン・コーヒーハウス」 『ALL ABOUT COFFEE Second Edition』 より

1754年に新聞発行者のウィリアム・ブラッドフォード Willam Bradfordが株式会社として開業。セカンド通り Second St.とマーケット通り Market St.の角にあり、商人、海運関係者、イギリスの役人、植民地の役人が集まり熱気があふれる店であった。イギリス軍駐留中は将校たちのたまり場になっていたが、軍が撤退すると店も衰退した。


「シティー・タヴァーン City Tavern

1774年にウォルナット通り Walnut St.に近いセカンド通り Second St.で開業、初代経営者はダニエル・スミス Daniel Smith。ロンドンのコーヒーハウスを手本に、レンガ造りの三階建ての建物でクラブ用の部屋が多かった。独立戦争中は町の中心的な集会場として、イギリス非難の集会が行われ、戦後は最先端の街の社交場となった。時期は不明だが店名をニューヨークのそれにちなみ「マーチャンツ・コーヒーハウス」と変えた。1806年に商品取引所となりコーヒーハウスは廃業した。

            (小村嘉人)

   

参照文献: 


・William H Ukers 『ALL ABOUT COFFEE Second Edition』 1935年

・Wikipedia アメリカの13植民地 (英語版・日本語版)

・Wikipedia ペンシルベニア植民地 (英語版・日本語版)

・Wikipedia フィラデルフィアの歴史 (英語版・日本語版)