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1868年創業したエメリッヒ社は、当初は球状焙煎機の開発に力を入れた。1870年木炭とコークスを燃料とし穴が開いて排気装置付きの小型の球状焙煎機を発売(図1)。改良を加えられて19世紀末にはやや大型の工業用球状焙煎機を開発(図2)。しかし20世紀に入ると球状焙煎機は市場では一定の評価を得るが操作性が困難などにより衰退する。 | 1868年創業したエメリッヒ社は、当初は球状焙煎機の開発に力を入れた。1870年木炭とコークスを燃料とし穴が開いて排気装置付きの小型の球状焙煎機を発売(図1)。改良を加えられて19世紀末にはやや大型の工業用球状焙煎機を開発(図2)。しかし20世紀に入ると球状焙煎機は市場では一定の評価を得るが操作性が困難などにより衰退する。 | ||
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プロバット社の創業時からの歴史は、以下の通り。 | プロバット社の創業時からの歴史は、以下の通り。 | ||
* 1868年:「エミリッヒ機械工場兼鉄鋳造所」が創立(プロバット社の前身)。 | * 1868年:「エミリッヒ機械工場兼鉄鋳造所」が創立(プロバット社の前身)。 | ||
* 1870年:木炭とコークスを燃料としとする排気装置付きの球状焙煎機を発売。その後も球状焙煎機を継続開発(図1,2)。 1884年:ドラム式の迅速焙煎機の特許取得。19世紀末からはドラム式焙煎機開発に注力(図3)。 | * 1870年:木炭とコークスを燃料としとする排気装置付きの球状焙煎機を発売。その後も球状焙煎機を継続開発(図1,2)。 1884年:ドラム式の迅速焙煎機の特許取得。19世紀末からはドラム式焙煎機開発に注力(図3)。 | ||
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[[ファイル:特許.jpg|代替文=図3:ドラム式の迅速焙煎機。 1892年テオドール・フォン・ギムボルンの特許No.6024より。|サムネイル|188x188px|図3:ドラム式の迅速焙煎機。 1892年テオドール・フォン・ギムボルンの特許No.6024より。]][[ファイル:球状焙煎機1.jpg|代替文=図1:球状焙煎機 1900年。MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat1933より。|サムネイル|178x178px|図1:球状焙煎機 1900年。MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat1933より。|左]] | [[ファイル:特許.jpg|代替文=図3:ドラム式の迅速焙煎機。 1892年テオドール・フォン・ギムボルンの特許No.6024より。|サムネイル|188x188px|図3:ドラム式の迅速焙煎機。 1892年テオドール・フォン・ギムボルンの特許No.6024より。]][[ファイル:球状焙煎機1.jpg|代替文=図1:球状焙煎機 1900年。MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat1933より。|サムネイル|178x178px|図1:球状焙煎機 1900年。MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat1933より。|左]] | ||
* [[ファイル:球状焙煎機2.jpg|代替文=図2:球状焙煎機、生豆約75kg、動力駆動、燃料(コークス、石炭)。 MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1933より。|サムネイル|191x191px|図2:球状焙煎機、生豆約75kg、動力駆動、燃料(コークス、石炭)。 MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1933より。|中央]] | * [[ファイル:球状焙煎機2.jpg|代替文=図2:球状焙煎機、生豆約75kg、動力駆動、燃料(コークス、石炭)。 MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1933より。|サムネイル|191x191px|図2:球状焙煎機、生豆約75kg、動力駆動、燃料(コークス、石炭)。 MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1933より。|中央]] | ||
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* 1907年:「パーフェクト」焙煎機発売。水平円筒形ドラム式で焙煎豆冷却機(クーラー)を一体化した焙煎機。手動操作(図4、写真)。 | |||
* 1920年:「プロバッット コール ロースター」焙煎機の発売(図5)。ドラム式焙煎機の原型となる完成度の高い焙煎機。現在のプロバット社の主力ドラム式焙煎機ネプチューンへつながる。 | * 1920年:「プロバッット コール ロースター」焙煎機の発売(図5)。ドラム式焙煎機の原型となる完成度の高い焙煎機。現在のプロバット社の主力ドラム式焙煎機ネプチューンへつながる。 | ||
* 1959年:「プロバッット コール ロースター」焙煎機名を採用して社名をプロバットに変更。 | * 1959年:「プロバッット コール ロースター」焙煎機名を採用して社名をプロバットに変更。 | ||
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* 1973年:遠心式焙煎機、サターン製造(熱風式焙煎機)。プロバット社独自開発の焙煎機。焙煎時間が中程度の範囲。 | * 1973年:遠心式焙煎機、サターン製造(熱風式焙煎機)。プロバット社独自開発の焙煎機。焙煎時間が中程度の範囲。 | ||
* 1997年:(アメリカ)バーンズ社を買収。 | * 1997年:(アメリカ)バーンズ社を買収。 | ||
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現在も他社を買収や新たな技術を取り入れながらショップ用から工業用焙煎機までの多様な焙煎機のライナップを揃えている。 (高橋孝夫)[[ファイル:コールロースター.jpg|代替文=図5:プロバットコールロースター。All About Coffee 1922年より。|サムネイル|202x202ピクセル|図5:プロバットコールロースター。All About Coffee 1922年より。]][[ファイル:パーフェクト.jpg|代替文=図4:パーフェクト焙煎機 1907年(宣伝用ポスター)。|左|サムネイル|193x193ピクセル|図4:パーフェクト焙煎機 1907年(宣伝用ポスター)。]][[ファイル:パーフェクト写真.jpg|代替文=写真:パーフェクト焙煎機。プロバット社のミュージアムにて2014年。|中央|サムネイル|183x183ピクセル|写真:パーフェクト焙煎機。プロバット社のミュージアムにて2014年。]] | |||
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* ゴットホット(Gothot)社125年史 <nowiki>https://www.helenacoffee.vn/probat-coffee-roaster/</nowiki> | * ゴットホット(Gothot)社125年史 <nowiki>https://www.helenacoffee.vn/probat-coffee-roaster/</nowiki> | ||
* MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1993 | * MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1993 | ||
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2025年3月27日 (木) 20:14時点における最新版
*コラム:プロバット社焙煎機開発の流れ
1868年創業したエメリッヒ社は、当初は球状焙煎機の開発に力を入れた。1870年木炭とコークスを燃料とし穴が開いて排気装置付きの小型の球状焙煎機を発売(図1)。改良を加えられて19世紀末にはやや大型の工業用球状焙煎機を開発(図2)。しかし20世紀に入ると球状焙煎機は市場では一定の評価を得るが操作性が困難などにより衰退する。
並行して開発したドラム焙煎機は1884年以降で大きな進展をした。
プロバット社の創業時からの歴史は、以下の通り。
- 1868年:「エミリッヒ機械工場兼鉄鋳造所」が創立(プロバット社の前身)。
- 1870年:木炭とコークスを燃料としとする排気装置付きの球状焙煎機を発売。その後も球状焙煎機を継続開発(図1,2)。 1884年:ドラム式の迅速焙煎機の特許取得。19世紀末からはドラム式焙煎機開発に注力(図3)。



図2:球状焙煎機、生豆約75kg、動力駆動、燃料(コークス、石炭)。 MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1933より。 - 1907年:「パーフェクト」焙煎機発売。水平円筒形ドラム式で焙煎豆冷却機(クーラー)を一体化した焙煎機。手動操作(図4、写真)。
- 1920年:「プロバッット コール ロースター」焙煎機の発売(図5)。ドラム式焙煎機の原型となる完成度の高い焙煎機。現在のプロバット社の主力ドラム式焙煎機ネプチューンへつながる。
- 1959年:「プロバッット コール ロースター」焙煎機名を採用して社名をプロバットに変更。
- 1969年:接線式焙煎機、ジュピター製造(熱風式焙煎機)。ゴットホット社のラピド・ノバ焙煎機の後継機種。焙煎時間が短い。
- 1973年:遠心式焙煎機、サターン製造(熱風式焙煎機)。プロバット社独自開発の焙煎機。焙煎時間が中程度の範囲。
- 1997年:(アメリカ)バーンズ社を買収。
- 2008年:ゴットホット社(ドイツ)を買収。
現在も他社を買収や新たな技術を取り入れながらショップ用から工業用焙煎機までの多様な焙煎機のライナップを揃えている。 (高橋孝夫)



参考文献
- WIlliam H. Ukers "All about Coffee" 1922 New York
- プロバット社のホームページ
- ゴットホット(Gothot)社125年史 https://www.helenacoffee.vn/probat-coffee-roaster/
- MUSEUM für KAFFEE TECHNIK by Probat 1993
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