「セント・ジェイムズ・コーヒーハウス」の版間の差分
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1705年~1806年 ジョン・エリオットがセント・ジェムズ宮殿の近くのセント・ジェイムズ通り St. James’s St.で開業。18世紀の前半は、近くのペル・メル通りPall Mallにあった「スミルナ」と並び、ホイッグ系の政治家や論客が常連の政治カフェである。「セント・セントジェイムズ」では政治談議や情報交換がなされていたために、いち早く国内外の政治ニュースを知ることができて、ジャーナリストたちの出入りも多かった。リチャード・スティール やジョセフ・アディソン も常連であり、1709年発刊の雑誌『タトラー』や1711年発刊の『スペクター』に、たびたび「セント・ジェイムズ」で仕入れた情報や、ここに集まる政治家たちの動向、議論の様子が掲載された。 | 1705年~1806年 ジョン・エリオットがセント・ジェムズ宮殿の近くのセント・ジェイムズ通り St. James’s St.で開業。18世紀の前半は、近くのペル・メル通りPall Mallにあった「スミルナ」と並び、ホイッグ系の政治家や論客が常連の政治カフェである。「セント・セントジェイムズ」では政治談議や情報交換がなされていたために、いち早く国内外の政治ニュースを知ることができて、ジャーナリストたちの出入りも多かった。リチャード・スティール やジョセフ・アディソン も常連であり、1709年発刊の雑誌『タトラー』や1711年発刊の『スペクター』に、たびたび「セント・ジェイムズ」で仕入れた情報や、ここに集まる政治家たちの動向、議論の様子が掲載された。 | ||
18世紀後半は政治論争も落ち着き、「セント・ジェイムズ」も政治色が薄れていった。入れ替わるように、多くの文化人たちがここに出入りをした。劇作家のオリバー・ゴールドスミス Oliver Goldsmith 、デイヴィッド・ギャリック David Garrick 、画家のジョシュア・レイルズ Joshua Reynolds らである。店は1806年に閉店。 (小村嘉人) | 18世紀後半は政治論争も落ち着き、「セント・ジェイムズ」も政治色が薄れていった。入れ替わるように、多くの文化人たちがここに出入りをした。劇作家のオリバー・ゴールドスミス Oliver Goldsmith 、デイヴィッド・ギャリック David Garrick 、画家のジョシュア・レイルズ Joshua Reynolds らである。店は1806年に閉店。 (小村嘉人) | ||
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・岩切正介 『男たちの仕事場 近代ロンドンのコーヒーハウス』法政大学出版局 2009年 | ・岩切正介 『男たちの仕事場 近代ロンドンのコーヒーハウス』法政大学出版局 2009年 | ||
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2024年11月24日 (日) 18:15時点における最新版
セント・ジェイムズ・コーヒーハウス: St. James’ Coffee House
1705年~1806年 ジョン・エリオットがセント・ジェムズ宮殿の近くのセント・ジェイムズ通り St. James’s St.で開業。18世紀の前半は、近くのペル・メル通りPall Mallにあった「スミルナ」と並び、ホイッグ系の政治家や論客が常連の政治カフェである。「セント・セントジェイムズ」では政治談議や情報交換がなされていたために、いち早く国内外の政治ニュースを知ることができて、ジャーナリストたちの出入りも多かった。リチャード・スティール やジョセフ・アディソン も常連であり、1709年発刊の雑誌『タトラー』や1711年発刊の『スペクター』に、たびたび「セント・ジェイムズ」で仕入れた情報や、ここに集まる政治家たちの動向、議論の様子が掲載された。
18世紀後半は政治論争も落ち着き、「セント・ジェイムズ」も政治色が薄れていった。入れ替わるように、多くの文化人たちがここに出入りをした。劇作家のオリバー・ゴールドスミス Oliver Goldsmith 、デイヴィッド・ギャリック David Garrick 、画家のジョシュア・レイルズ Joshua Reynolds らである。店は1806年に閉店。 (小村嘉人)
参照文献:
・William H. Ukers "ALL ABOUT COFFEE Second Edition" 1935年
・菊盛英夫 『文学カフェ』 中公新書 1980年
・小林章夫 『コーヒーハウス』 駸々堂 1984年
・岩切正介 『男たちの仕事場 近代ロンドンのコーヒーハウス』法政大学出版局 2009年