ジョナサン・スウィフト
ジョナサン・スウィフト： Jonathan Swift
生没年 1667年～1745年 ダブリン（アイルランド）生まれの風刺作家・司祭。
主な作品に『ガリヴァー旅行記 Gulliver’s Travels』、『桶物語 A Tale of a Tub』、『穏健なる提案 A Modest Proposal』などがある。
ダブリン大学で神学を学んだ後に、アイルランドの政治的な問題でロンドンに移り住み、政治家・作家のウィリアム・テンプル Sir William Temple に仕えた。アイルランドに戻り教会の司祭を務め傍らで、1700年以降は頻繁にアイルランドとロンドンを行き来し、作家として執筆活動に励み、さらに政治的な活動もした。スウィフトは名誉革命を支持し、もともとホイッグ党員であったが、次第にトーリー党の考えに共鳴していった。
ロンドンに滞在している間には、多くのコーヒーハウスに出入りしていた。文学カフェの「ウイルズ」、「バトンズ」。ホイッグ系の政治カフェ「セント・ジェイムズ」「スミルナ」。さらにトーリー系の政治カフェである「ココア・トゥリー」「オジンダズ」にも。
特に「セント・ジェイムズ」では、リチャード・スティールやジョセフ・アディソンとともに『タトラー』・『スペクテイター』の記事を執筆していた。
1714年にホイッグ党の長期政権が始まると、トーリー党に傾倒していたスウィフトの政治的な活動は終わり、追放されるようにアイルランドに帰ったが、その後に『ガリヴァー旅行記』をはじめ多くの作品を残した。『ガリヴァー旅行記』は大人気で多数出版され、さらにスウィフトもアイルランドの愛国者としての名声を得た。 （小村嘉人）
参照文献：
・William H. Ukers "ALL ABOUT COFFEE Second Edition" 1935年
・小林章夫 『コーヒー・ハウス』 駸々堂 1984年
・Wikipedia Jonathan Swift (英語版)