ロイヤル・コーヒーハウス

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ロイヤル・コーヒーハウス: Royal Coffeehouse

1865年~2008年 フランスからの亡命者ダニエル・ニコルズ Daniel Nicols (フランス名 ダニエル・ニコラ・テヴノン Daniel Nicolas Thévenon)が開業。

 ピカデリーの19グラスハウス通りカフェ=レストランとして開業の後に、リージェント通り Regent St. 68 番地に移転し、さらに1867年に「ロイヤル」と改名した。

ロイヤル・コーヒーハウス
ロイヤル・コーヒーハウス 店内 ウィリアム・オーペン画 1912年 Wikipedia Hoel Café Royal   (英語版)より


 19世紀後半のヴィクトリア朝はイギリスが最も栄えた時代であり、多くのすぐれた文学・芸術作品が残されている。日本の文学や芸術にも影響を与えた耽美主義も、この時代のものである。この時期に多くの文学者や文化人が「ロイヤル」を訪れて芸術談義をしていた。オスカー・ワイルド Oscar Wilde、D・H・ロレンス D・H Lawrence、ドイツの哲学者アルトゥル・ショーペンハウアー Arthur Schopenhauer 、アメリカ人画家のジェームズ・ホイッスラー James A.M Whistlerらであり、後に「ロイヤル」はロンドン最後の文学カフェと呼ばれた。普仏戦争の後には多くのフランス人政治難民が「ロイヤル」に集まり、パリのカフェの雰囲気も持っていた。店は大人気で、食事も充実し、フランス出身の経営者の店らしく高級ワインの品揃えにも定評があった。また家具や食器も豪華で、コーヒーハウスというよりはカフェ=レストランとして評判をとっていた。

 20世紀になると、シュテファン・ツヴァイク Stefan Zweig 、エルンスト・トラー Emst Toller らの亡命作家が訪れていた。第二次大戦後は文学カフェとしての役割は終わり、高級レストランとパーティールームとして営業をし、ダイアナ妃Diana,Princess of Wales、ブリジット・バルドーBrigitte Bardot、エリザベス・テイラーErizabethTaylerらの有名人が訪れている。改装をして、現在は五つ星のホテル「ホテル・カフェ・ロイヤル Hotel Café Royal」になっている。 (小村嘉人)


参照文献:

・菊盛英夫 『文学カフェ』 中公新書 1980年

・Wikipedia Hotel Café Royal  (英語版)

・Wikipedia Daniel Nicols  (英語版)

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