バルダヌス

提供:コーヒー歴史年表
2024年1月27日 (土) 17:09時点におけるSeiichi (トーク | 投稿記録)による版 (作成)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

1595年

パルダヌス、『リンスホーテンの旅』の注でコーヒーに関して記述。イギリスの出版物での初めてのコーヒーに関する記述。(英語版は15958年)

ベルナルド・パルダヌスBernard(or Bernhardus)Paldanus:1550年〜1633年。

 オランダ(現ベルギー)出身の医学者・植物学者。ライデン大学哲学教授。旅行家でもあり、数度にわたりアジア、アフリカを訪れている。ヤン・フュイゲン・ファン・リンスホーテンの『リンスホーテンの旅』の英訳(1598年刊)に付した注でトルコのコーヒーに関して記述。これが英語で書かれた最初のコーヒーに関する記述と言われる。

 記述は次の通り。

 「トルコでも同じくチャオナchaona(注:chaouaの誤植といわれる)を飲む慣習がある。これはエジプトでボンbonまたはバンbanと呼ぶオリーヴの実に似た果実から作られる。この果実1.5ポンド(約0.68kg)を火で少し煎り、20ポンドの水に入れて半量になるまで煮詰める。毎朝トルコの人々は、食事は摂らずに、部屋でこの飲み物を陶器のポットから注いで飲む。飲み物はとても熱い。我々が朝にブランデヴァインbrandewijnを飲むようなものだ。彼らは、体が強健になり、消化器の通りをよくする」。

参照文献:

・wikipedia:Bernard Pardanus(フランス語)

・『オール・アバウト・コーヒーAll About Coffee』ウイリアム・H・ユーカーズ著、山内秀文抄訳 角川ソフィア文庫

ヤン・ホイヘン・ファン・リンスホーテンJan Huygen van Linschoten:1563年〜1611年。

 オランダの商人・旅行家。ポルトガルに渡り、1583年にゴアの大司教に随行してインドのゴアへ赴く。5年間のゴア滞在中にインド、東南アジア、日本を含む極東に関する情報を収集。その後セント・ヘレナ島に移り、1592年にポルトガルに戻った。さらに1594年から2度にわたり北極海ルートで中国に至る航海を試みるが、氷に阻まれ中途で引き返した。

 1585年にオランダに帰国し、ゴアで見聞きした情報をもとに、同年『リンスホーテンの旅』(“Iohn Huighen van Linschoten his Discours of Voyages into ye East & West Indies”:タイトルは1598年刊行のベルナルド・パルダヌスによる英訳。原文はオランダ語)を出版した。この本には日本の食事と茶の飲用についての記述も含まれている。

参照文献

・wikipedia Jan Huyghen van Linschoten(英語版)

・『オール・アバウト・コーヒーAll About Coffee』ウィリアム.H.ユーカーズ著、山内秀文

抄訳 角川ソフィア文庫