グラインダー

提供:コーヒー歴史年表
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1665年イギリス人、ニコラス・ブック、コーヒー専用のミルを開発。

[コラム]コーヒー・グラインダーの変遷(Ver.1)。

2023.12.13改訂 高橋孝夫

■ 1655年頃

 イギリス人、ニコラス・ブック、コーヒー専用のミルを開発。[コラム]コーヒー・グラインダーの変遷。


注)ミルとグラインダー(グラニュレーター)の違い:

・ 一般的には、ミルは手動で操作するもので、グラインダー(グラニュレーター)は電動で操作するものという区別がされることが多いようである。

・    ミルは、コーヒー豆を挽く器具の総称

・    グラインダーは、電動で操作するコーヒー豆を挽く器具

→ ミルで言葉を統一か?


ニコラス・ブック : 

 ニコラス・ブックは、ロンドンに住んでいた英国人で、1665年、コーヒー専用のグラインダーの創造者と言われている。

 人々がスパイスやその他の材料を挽くために使用したミルの発明はいくつかありましたが、コーヒーのために特別に設計されたツールはありませんでした。そのグラインダーは、手でクランクを回す研削機器が入った木製の箱でした。コーヒー豆は箱の上部に注がれ、挽いたコーヒーは底の引き出しに収集された。

 この発明の成功の後、これに続くものが次の数十年で登場した。18世紀には、いくつかの会社がニコラス・ブックのコーヒーグラインダーのバリエーションを生産し始め、ますます多くの人々がこれらの道具を使うようになった。19世紀末までにはヨーロッパやアメリカのほとんどの家庭で見られるようになった。


参考:

・William H. Ukers, M.A. : All About Coffee ,

https://cluesheet.com/All-About-Coffee-XXXIV.htm

・Coffee Grainder History,

https://knowyourgrinder.com/coffee-grinder-history/(2023.12.04)

https://www.thecommonscafe.com/the-history-of-the-coffee-grinder-how-frenchman-lon-delfour-invented-the-modern-grinder-in-the-1800s/

https://club.atlascoffeeclub.com/history-peugeot-coffee-mills/


[コラム] コーヒー・グラインダーの変遷:

 コーヒー豆粉砕用のグラインダーは構造上大きく分類して3つのタイプがある。①コニカルカッター、②フラットカッター、③ロールグラインダーである。

(④回転する羽の打撃で粉砕を行うブレードグラインダーもあるが省略する)

・コニカルカッター:臼型ミルとも呼ばれる。円錐形の刃と、それに沿うような形の固定された刃があり、その間をコーヒー豆が通ることで粉砕される。刃と刃の隙間の大きさを調整することで、挽きの粗さを変えることができ

る。数百グラムの粉砕用に持ちいられている。エスプレッソ用の電動ミルや主に家庭用手動ミルに多い。

・フラットカッター:フラットディスク式とも呼ばれ、向かい合った2つの円盤状の刃が臼のように回転することで、コーヒー豆をすりつぶす。粉砕堅牢性や粉砕速度などに優れている。数百グラムからキログラム粉砕用。家庭用から業務用にまで広く使用される。

・ロールグラインダー:豆はロール間通過の際に段階的に粉砕される。粒度の均一性が高く、粉砕速度も速い。トン(t)レベルの粉砕に使用。主に工業用。


図を添付:

コニカルカッターの説明図
コニカルカッター
ファイル:フラットカッター.png
フラットカッター
ロールグラインダー

①    コニカルカッター    ②フラットカッター   ③ロールグラインダー


変遷:

 コニカルカッター型が歴史的には一番古く、16世紀のトルコミルとして出現する。広くコーヒーミルとして発展する。19世紀にはフランスのプジョ(自動車メーカー)が製造を開始し主に家庭用に人気があり広く普及。1870年アメリカで開発されたグラインダー「チャンピオン#1」やジョン・ベーカーの制作した「エンタープライズ・ミル」は業務用ミルとして有名である。

 フラットカッターは、1872, 1874年にJabez Burnsが開発した工業用ミルに導入されている(特許取得)。業務用の多量の粉砕が可能になる。19世紀頭に開発された電動ミルは、このフラットカッター型になる。

 ロールグラインダーは、19世紀後半から工業用として大量の粉砕が求められて開発された。諸説あるが1918年にシカゴのJules LePageが特許をとり発明者といわれている。

 1937年ネスレがスプレードライ法によるインスタントコーヒー製造用に大量のコーヒー豆を粉砕するのに必要だったとの説もある。


参考:

・Andrea Illy and Rinantonio Viani : Espresso Coffee, The Chemistry of Quality, Academic Press Inc. San Diego, CA (1995), p218 - 221

・全日本コーヒー商工組合連合会「コーヒー検定教本」(2012), p78 - 79

・インスタントコーヒー:Wikipedia

・R.J.Clark and R. R.J.Clark and R.Macrae : COFFEE Volume2 Technology, ELSEVIER APPLIED SCIENCE LONDON and NEW YORK (1987), p104 - 107

・特許:Jules LePage , CUTTING-ROLLS, USA-patent 1,183,574 (1916)