カフェ・グリエンシュタイドル

提供:コーヒー歴史年表
2024年5月29日 (水) 22:46時点における大西 (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「〇 1847年 「カフェ・グリエンシュタイドル」(ウィーン)開業 '''カフェ・グリエンシュタイドル''' Cafe Griensteidl:  1847年〜1897年 薬剤師ハインリッヒ・グリエンシュタイドルHeinrich Griensteidlが、1844年に開いた小さなカフェを市の中心部ヘレンガッセに移転して1847年に開業。  開業当初より、1848年革命以降の国家体制に反対し、立憲制…」)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

〇 1847年

「カフェ・グリエンシュタイドル」(ウィーン)開業

カフェ・グリエンシュタイドル Cafe Griensteidl:

 1847年〜1897年 薬剤師ハインリッヒ・グリエンシュタイドルHeinrich Griensteidlが、1844年に開いた小さなカフェを市の中心部ヘレンガッセに移転して1847年に開業。

 開業当初より、1848年革命以降の国家体制に反対し、立憲制への移行を標榜する民主派・進歩派の人々の集まる場になっていたために、「政治カフェ」「国民カフェ」と称された。

 1890年代に入り政治改革の機運が落ち着くと、「文学カフェ」に様変わりする。文学運動「若きウィーン」のヘルマン・バール、アルトゥル・シュニッツラー、フーゴ・フォン・ホーフマンスタール、ペーター・アルテンベルク、カール・クラウスやフーゴ・ヴォルフ、アルノルト・シェーンベルクなどの音楽家、神智学・哲学者のルドルフ・シュタイナー、画家ギュスターヴ・クリムト、建築家アドルフ・ロースらが集い、世紀末のウィーンの芸術運動の中心となった。

 道路拡張工事のため1897年に閉店。1990年同じ場所に同名のカフェが再建されるが、初期の店との関連性はない。 (小村嘉人)

ラインハルト・フェルケン画(1896):Wikipedia 世紀末のウィーンより

参照文献: 

・菊盛英夫著『文学カフェ』中公新書, 1980

・平田達治著『ウィーンのカフェ』大修館書店, 1996

・クラウス・ティーレ=ドールマン著『ヨーロッパのカフェ文化』平田達治・友田和秀訳 大修館書店, 2000