「ブラジルのコーヒー栽培の始まり」の版間の差分

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ブラジルでは、1727年にフランス領ギアナから持ち込まれたコーヒーの木をもとに、ブラジル北部にあるパラー州にて、コーヒープランテーションが拓かれました。
 1727年、ブラジルの軍人、フランシスコ・デ・メロ・パリエッタ(Francisco de Mello Palheta,1670年~1750年頃)によりにフランス領ギアナからコーヒーの苗木と1千粒以上の種子が、ブラジル北部のパラー州ベレンに持ち込まれた。


 パリェッタは、フランス領ギアナとの境界問題を解決するため、フランス領ギアナに派遣され、その際コーヒーの苗木などを手に入れた。フランス領事夫人と男女関係を持ち、別れ際に夫人が彼に花束を手渡し、この花束に5本のコーヒーの若木をこっそり忍ばせたというエピソードがあるが、実際どのようにして手に入れたのか分かっていない。


ここには、こんなエピソードが言い伝えられています。
 パリエッタの帰国後、コーヒーのマラニョン総督にコーヒーの苗木と種子を手渡し、自らもコーヒーの栽培を始め、1731年には1千数百本のコーヒーを栽培し、ブラジル最初の栽培者の一人となった。 (大西文明)


===  参照: ===


中南米では、1715年にハイチが最も早くコーヒー栽培を始めており、1718年には、アムステルダム植物園からスリナム(オランダ領ギアナ)に送られたコーヒーによって、栽培が始まりました。
* ウィリアムH.ユーカーズ  『ALL ABOUT COFFEE』 山内秀文抄訳 角川ソフィア文庫
 
* 旦部幸博 『珈琲の世界史』 講談社 2017年
 
* 堀部洋生 『ブラジルコーヒーの歴史』いなほ書房 1985年
南アメリカ北東部にあるギアナ地方は、西からイギリス領(現在のガイアナ)、オランダ領(現在のスリナム)、そしてフランス領ギアナに分かれて統治されていました。フランス領ギアナはコーヒー栽培を行いたかったのですが、隣国スリナムはコーヒーの木をくれません。あるとき、フランス領で罪を犯し追っ手を逃れるためにスリナムに住んでいたムールジュが恩赦を受けるために領事と交渉し、スリナムからフランス領ギアナにコーヒーの木を盗み出し、1722年にフランス領ギアナでもコーヒーの栽培が始まりました。
* Wikipedia ポルトガル語版
 
 
その後1727年、スリナムとフランス領ギアナが対立した際、フランス領ギアナの東隣にあるポルトガル領ブラジルが仲裁に入って会談を行うことになりました。ブラジルからフランシスコ・デ・メリョ・パリェタという官吏が選ばれ、フランス領ギアナに向かいましたが、彼はブラジルにコーヒーの木を持ち帰るという密命を帯びていました。彼は策略を企て、フランス領事夫人と男女関係を持ち、彼の虜になった夫人は、彼から密命を打ち明けられました。会談後のお別れの席で、夫人はブラジルに帰る彼に花束を手渡します。この花束に5本のコーヒーの若木をこっそり忍ばせており、この若木がブラジル北部のパラー州に植えられ、後のコーヒー大国となるブラジルにコーヒーが伝わったと言われています。
 
 
参照:
 
・『ALL ABOUT COFFEE』 ウィリアム・H・ユーカーズ著 山内秀文 訳・解説 2017年 角川ソフィア文庫
 
・『珈琲の世界史』 旦部幸博著 2017年 講談社

2024年9月12日 (木) 22:03時点における最新版

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ブラジルのコーヒー栽培の始まり

 1727年、ブラジルの軍人、フランシスコ・デ・メロ・パリエッタ(Francisco de Mello Palheta,1670年~1750年頃)によりにフランス領ギアナからコーヒーの苗木と1千粒以上の種子が、ブラジル北部のパラー州ベレンに持ち込まれた。

 パリェッタは、フランス領ギアナとの境界問題を解決するため、フランス領ギアナに派遣され、その際コーヒーの苗木などを手に入れた。フランス領事夫人と男女関係を持ち、別れ際に夫人が彼に花束を手渡し、この花束に5本のコーヒーの若木をこっそり忍ばせたというエピソードがあるが、実際どのようにして手に入れたのか分かっていない。

 パリエッタの帰国後、コーヒーのマラニョン総督にコーヒーの苗木と種子を手渡し、自らもコーヒーの栽培を始め、1731年には1千数百本のコーヒーを栽培し、ブラジル最初の栽培者の一人となった。 (大西文明)

参照:

  • ウィリアムH.ユーカーズ  『ALL ABOUT COFFEE』 山内秀文抄訳 角川ソフィア文庫
  • 旦部幸博 『珈琲の世界史』 講談社 2017年
  • 堀部洋生 『ブラジルコーヒーの歴史』いなほ書房 1985年
  • Wikipedia ポルトガル語版