ユーゲニオイデス種
ユーゲニオイデス種Coffea eugenioides:
アカネ科コフィア属の種(シュ)。タンザニア西部周辺地域の高地に自生。
遺伝子解析によって、アラビカ種はユーゲニオイデス種とカネフォラ種の異種交配によって生まれたと考えられ、両方の形質を引き継いでいる。
生育条件はアラビカ種とほぼ同じで、熱帯の冷涼な高地が適している。種子は小粒で生産性は極めて低い。病害虫に弱く、さび病への耐性もない。カフェイン含有量がごく少ないことも大きな特徴である。
栽培種は、苦味が少なく甘みを強く感じさせ、独特の香りを有する。2021年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップの決勝戦でユーゲニオイデス種を使用したバリスタが1~3位を独占、その香味が高く評価された。
2010年頃からコロンビアで小規模に栽培が始まり、現在は高値で取引されている。 (大西文明)
参照文献:
- 旦部幸博著『コーヒーの科学』講談社ブルーバックス, 2016
- 旦部幸博著『珈琲の歴史』講談社現代新書, 2017
- Coffee intelligence HP:Whatever happened to Eugenioides coffee? 2023/03/15