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*コラム:街の復興と代用貨幣の発行

提供: コーヒー歴史年表
2026年7月29日 (水) 01:36時点におけるKomura (トーク | 投稿記録)による版

[コラム] 街の復興と代用貨幣の発行

代用貨幣 token coin

 17世紀後半に、政府の発行する公的な貨幣の代替として、地方公共団体や商店などが発行した貨幣であり、発行した自治体や商店とその近隣など一定の地域で通用した。

現代のビット・コインも代用貨幣の一種である。

Wikipedia:Great Fire of London より

ペスト流行とロンドン大火

 1652年、パスカ・ロゼの店が開業して以降、急速にコーヒーハウスの数は増していったが、この状況に水をさすように、1665年のペスト大流行と1666年の大火という2つの大きな悲劇がロンドンの街を襲った。この二つの悲劇により、当時のロンドンの劣悪な街の環境や社会整備の不備が顕著となり、この後のロンドンの新しい街づくりに生かされた。

街の復興とコーヒーハウスの再建・新規開業

大きな被害にもかかわらず、ロンドンの復興は急ピッチで行われ、商店もすぐに再開した。復興と同時に建築物の規制措置が取られて、木造家屋に代わりレンガや石造りでの再建となり、また道路の拡張や消火体制の整備も進められた。

被災した多くのコーヒーハウスは、1670年代の始めにはほとんどが復活し、また、新たなコーヒーハウスの開業が相次いだ。再建あるいは新開業の店は、以前のような狭い階段を上がった2階や、階段を何段か上る高床の店舗ではなくて、1階の路面店が多くなった。

コーヒーハウス発行の代用貨幣 ”All About Coffee "より                                        

代用貨幣の発行

ペストの流行、ロンドン大火の時期に、コーヒーハウスをはじめ多くの商店で代用貨幣(硬貨)tokenが発行された。もともと、硬貨が不足していたイギリスの経済事情からきているが、17世紀の市中での商取引の増加や、政府の1/4ペニー銅貨の製造中断の影響で小銭が著しく不足し、地方公共団体でも代用貨幣が発行された。コーヒーハウスをはじめ商人の発行した代用貨幣は、材質が真鍮・銅・鉛、ときには皮で、店名・所在地・額面金額などが表記されており、発行した店および近隣の商店で通用した。コーヒーハウスの代用貨幣で特に有名なものは、「レインボウ・コーヒーハウス Rainbow Coffee House 」のジェイムズ・ファー James Farr が発行したもの(1/2ペニー)で、大火を逃れたという意味で、猛火の煙の中からアーチ型の虹が現れている図柄である。代用貨幣を発行した公共団体や商人は数千に及んだが、政府の1/4ペニー硬貨の製造再開を受けて、個人的な代用貨幣の発行は1675年以降、禁止となった。     (小村嘉人)

 

 




参照文献:

・William H. Ukers , ALL ABOUT COFFEE  Second Edition 1935年

・小林章夫著『コーヒー・ハウス』 駸々堂 1984年

・Wikipedia:token coin(英語版)

・Wikipedia:Great Fire of London(英語版)

・Wikipedia:ロンドンの大疫病