カフェ・ツェントラル
カフェ・ツェントラル Café Central
1876年〜現在 旧銀行・証券取引所の建物(ハインリヒ・フォン・フェルテル設計)に開業。大きなホールと大理石の柱、アーチ形の天井を有する豪華カフェ。開業当時から文学者・芸術家が集う「芸術カフェ」だったが、1897年の「カフェ・グリエンシュタイドル」閉店後は多くの文化人が「ツェントラル」に移り、19世紀末ウィーンの芸術運動の拠点となった。
アルトゥール・シュニッツラー、フーゴ・フォン・ホフマンスタール、ヘルマン・バールなどの文学者の他、フーゴ・ヴォルフ(作曲家)、オスカー・ココシュカ(画家)、ジークムント・フロイト(精神分析医)をはじめ多くの文化人・俳優も常連。詩人ペーター・アルテンベルクは、ここに住み着いているかのように毎日を過ごした。現在も等身大のアルテンベルク人形が店内に置かれている。最盛期には250紙以上の新聞、文学・政治・スポーツ等あらゆる分野の雑誌、百科事典も取り揃えていた。
第二次世界大戦で損傷してしばらく閉鎖されていたが、修復を重ねながら営業を再開して1987年に完全復活した。
現住所:Herrengasse 14, 1010, Wien。(小村嘉人)
参照文献:
・菊盛英夫著『文学カフェ』中公新書, 1980
・平田達治著『ウィーンのカフェ』大修館書店, 1996年
・Café Central HP https:// cafecentral.wein