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ゴットホット社

提供:コーヒー歴史年表

ゴットホット社Gothot

図1:イデアル・ラピド”モデル”の広告。 15Kgのコーヒー豆を8-9分で焙煎。 Elevator espressoより。
図1:イデアル・ラピド”モデル”の広告。 15Kgのコーヒー豆を8-9分で焙煎。 Elevator espressoより。

1880年にドイツのミュールハイムでフェルディナント・ゴットホットFerdinand Gothotにより設立された焙煎機メーカー。ゴットホット社はいち早く熱風式焙煎機を開発し市場に投入した。その後も一貫して熱風式焙煎機の開発・改良に取り組み大型熱風式焙煎機を代表するメーカーとなった。しかし2008年に経営危機に陥り、同じドイツのプロバット社に吸収合併された。

1899年にコークスまたはガスで加熱する熱風式焙煎機「イデアル・ラピッドIdeal-Rapid」(図1)を開発、特許を取得した。この熱風式焙煎機がゴットホット社の焙煎機の原型となった。改良されたイデアル・ラピド焙煎機は生産効率が良い事もあり大規模な焙煎工場(写真1)にも導入される。

イデアル・ラピッド・モデルは継続的な改良が施された。その後1969年に新型の熱風式焙煎機ラピド・ノバRapido-Nova焙煎機(図2)が開発された(1971年特許取得)。大量の熱風をドラム内に接線方向から吹き込む回転ドラムのないパドル(撹拌羽)式熱風焙煎機(図3)で、時間あたりトンレベルの大量焙煎を可能にし、市場で人気を博した。ゴットホット社の技術は高く、現在はプロバット社の代表的な短時間焙煎機ジュピター・シリーズに採用されている。 (高橋孝夫)

図3:改良型ラピド・ノバ Rapido-Novaの構造図。 COFFEE Volume2 Technologyより。
図3:改良型ラピド・ノバ Rapido-Novaの構造図。 COFFEE Volume2 Technologyより。
写真:ガスを燃料とするイデアル・ラピド焙煎機を多数設置した焙煎工場(ドイツ)。1900年代初頭。 All About Coffee 1922年より。
写真:ガスを燃料とするイデアル・ラピド焙煎機を多数設置した焙煎工場(ドイツ)。1900年代初頭。 All About Coffee 1922年より。
図2:ラピド・ノバの構造。 1971年Rapido-Nova特許US patent3608202より。
図2:ラピド・ノバの構造。 1971年Rapido-Nova特許 US patent3608202より。

参考文献

  • Ferdinand Gothot Maschinenfabrik celebrates 125 years: https://www.thefreelibrary.com/Ferdinand+Gothot+Maschinenfabrik+celebrates+125+years.-a0139211320 (2023.12.12)
  • Gothot-Nova:  US patent 3,608,202 in 1971
  • COFFEE Volume2 Technology
  • Global Coffee Report: https://www.gcrmag.com/probat-on-innovations-origin/(2023.12.16)
  • ・Elevator to espresso: https://pootoogoo.wordpress.com/2015/02/15/elevator-to-espresso-episode-1/


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