ソリマン・アガ
ソリマン・アガ Soliman Aga
生没年不詳。1669年にオスマン・トルコのメフメト四世がルイ一四世のもとに派遣した使節。
コーヒーを携えてフランスに入り、滞在中に館に貴族たちを招いて行っていた豪華な器具を使ったトルコ・スタイルの「コーヒーセレモニー」がパリの上流階級の間で評判を呼んだ。これによって一気にフランスの上流階級の間でコーヒーへの関心が高まったといわれる。
しかし、ルイ一四世に謁見した際のソリマン・アガの不遜な態度と、じつは正式な大使ではなかったことで不興を買い、外交的には見るべき成果はなかった。ルイ一四世の怒りはおさまらず、翌年モリエールMolière(戯曲)とジャン=バティスト・リュリJean-Baptiste Lully(作曲)にコメディ・バレエ「町人貴族Le Bourgeois gentilhomme」をシャンボール館で上演させ、その中でトルコを揶揄した。 (山内秀文)
参照文献:
- 岩切正介:ブルボン王朝下のコーヒーとカフェ—ルイ14世の時代
- Wikipedia Soliman Aga(フランス語),Suleiman Aga(英語)