ブルボン島
レユニオン島(ブルボン島)Île Réunion(Île Bourbon)
インド洋、マダガスカル島の東方約800kmに位置する火山島。現在はフランスの海外県ラ・レユニオンLa Réunion。中央部に3000mを超えるネージュ峰Les Pitons Neigeがあり、海岸地域を除き島のほとんどは山岳地勢となっている。 コーヒー関係ではアラビカ種の主要品種ブルボン種の原産地として重要。
17世紀半ばからインド洋に展開したフランス東インド会社の中継地となり、1710年には正式にフランス領となった。その後フランスの政治体制が王政・共和政へと移るたびにブルボン(王家の名称)、レユニオン(共和国の意)と名称が変わり、1848年に第二共和政が成立して以降は、レユニオン島の名称が続いている。
コーヒー栽培
1715年、東インド会社がモカからコーヒーの苗木を持ち込み、ジャワ島に次いでコーヒーの栽培に成功し、1720年半ばからは継続的にコーヒーがフランスに輸送された。この時期はブルボン王家がフランスを支配していたため、この島で生産されたコーヒーは「ブルボン」の名で流通し、栽培品種はブルボン種と呼ばれる。
ブルボン種は1865年頃リベリアを経由してブラジルに持ち込まれたとされる。この品種は主にサンパウロに導入され、1890年頃に世界最大のコーヒー生産地域となったサンパウロの主要栽培種となった。
この島でのコーヒー生産の最盛期は19世紀の初めで、フランスでは高い評価をえていたが、19世紀半ばには衰退に向かい、19世紀末でコーヒー栽培はいったん終焉した。21世紀に入り、UCCが野生化したレユニオン島のコーヒーの木からコーヒー栽培を復活させ、2006年以降ブルボン・ポワントゥとして生産している。
(山内秀文)
参照文献
・Gordon Wrigley "Coffee" 1988 Essex
・Henri Welter "Histoire du Café" 1868 Paris
・堀部洋生著『ブラジルコーヒーの歴史』1973年(いなほ書房版1997年)
・Wikipedia: La Réunion(フランス語版)