*コラム:トルコ式コーヒーの器具と抽出法
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トルコ式コーヒーの器具と抽出法
使用器具
- 焙煎器具:板状の焙煎器具(ローストパン)、またはフライパン。
- 粉砕器具:シリンダー状の携帯用コーヒーミル(ターキッシュ・ミル)
- 抽出器具:イブリックあるいは、ジェズヴェという柄のついた金属の抽出器。
- カップ :フィンジャン(小ぶりの磁器のカップ)
17世紀にトルコ式コーヒーがヨーロッパに紹介され、これが現在のコーヒーの抽出スタイルの原点となった。なお、ヨーロッパでは、18世紀末まではほぼボイル式の抽出。19世紀の終わりでもヨーロッパ、アメリカの家庭ではボイル式抽出法が一般的だった。
抽出方法(ジャン・ド・テヴノーによる)
- コーヒーをごく細かい粉にする。
- ジェズヴェにカップ3杯分の水を入れて火にかけて煮立たせる。
- 煮立ったら、大さじ山盛り一杯のコーヒー粉を入れる。
- それを再び火にかけ、吹き上がったら、素早く火から離すか、あるいはかき混ぜる。
- この作業を10〜12回ほど繰り返す。
- コーヒー粉が沈むまで、火の脇でしばらく休ませる。
- 粉が沈んだら、粉が入らないように注意しながら、上澄をカップに注ぐ。
- 磁器のカップは木の盆に並べ、熱いうちに供する。
- 熱いうちに少しずつ飲む。
(注:6〜8はシルヴェストル・デュフールの記述から補った)
クローヴやカルダモンの粒で香りづけしたり、砂糖を入れることもある、との記述もある。(高橋孝夫)
参照文献
・Wikipedia:ジェズヴェ
・William H. Ukers, ”All About Coffee” 1922 New York
・Jean de Thévenot “Voyages de M.Thévnot en Europe, Asie, Afrique” 1664 Paris
・Ph.S.Dufour “Traités nouveaux et curieux du café , du thé et du chocolate” 1685 Lyon.