*コラム:17~18世紀のコーヒー焙煎機。
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*17〜18世紀のコーヒー焙煎機
コーヒーの焙煎の初期には一般的な開放系の鍋(パン)が使用されたと思われる。またコーヒー焙煎専用のスプーン状の小さな焙煎器やバクダットローストパンと言われる長い取っ手(約90cm)と豆をかき回す金属棒(約20 cm)付きの物も使われた(図1,2及び3)。



17世紀年から18世紀の間には、商業用として開放系の鍋(パン)から操作や形状が工夫されたコーヒー焙煎器が現れる。攪拌用のハンドル付きの鍋やシリンダー型の密閉系で、シリンダーに豆を出し入れするためのスライド式ドアが付き、火床の上で回転をさせるハンドル付きの焙煎器も出現した(図4,5及び6)。



コーヒー豆を多量に焙煎するために、インやコーヒーハウスで使用された可能性がある(図7)。また、18世紀末には火床の上に吊るして、ストーブと一体化した鉄板製の焙煎器が登場した。これは比較的大量のコーヒー豆を焙煎した(図8,9)。図10はビーダーマイヤー時代のキッチン風景、コーヒーを焙煎、冷却し粉砕している。 (高橋孝夫)



参考文献
- 山内秀文訳解説「All About Coffee コーヒーのすべて」角川ソフィア文庫 (2017)
- William H. Ukers, ”All About Coffee” 1922 New York
- UCCコーヒー博物館、「図説コーヒー」河出書房新社 (2016)
- MUSEUM für FAFFEE TECHNIK(プロバット社1933)
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