アラビカ種

提供:コーヒー歴史年表
2024年8月8日 (木) 22:22時点におけるHide Yamauchi (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「'''アラビカ種''' ''Coffea arabica'':<br/> <br/> アカネ科コフィア属の種(シュ)。原生息地はエチオピア高原。 <br/> 15世紀半ばにイエメンのアデンでコーヒーを飲み始めたのが、現在のコーヒー飲用のルーツだが、そのコーヒーはアラビカ種である。以来、19世紀の終わりにさび病対策でリベリカ種が導入されるまでの約450年間、商業的に栽培されて…」)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

アラビカ種 Coffea arabica

 アカネ科コフィア属の種(シュ)。原生息地はエチオピア高原。
 15世紀半ばにイエメンのアデンでコーヒーを飲み始めたのが、現在のコーヒー飲用のルーツだが、そのコーヒーはアラビカ種である。以来、19世紀の終わりにさび病対策でリベリカ種が導入されるまでの約450年間、商業的に栽培されていたのはアラビカ種のみで、そのため現在でもアラビカ種がコーヒーの香味評価(おいしさ)の基準となっている。          
 カネフォラ種リベリカ種とともに、商業的に栽培されるいわゆる三原種のひとつ。アラビカ種はコーヒーが歴史の舞台に登場して以来、コーヒー生産の主体だったが、現在は総生産量の60%弱で、近年はカネフォラ種(ロブスタ)に押され気味である。


 アラビカ種の栽培に適する気候条件は、年較差が少なく年平均気温20℃前後、年間降雨量約1000〜2000mm。熱帯の高地が栽培適地で、気温の日較差は大きい方が良質のコーヒーとなるが、降霜にあうと枯死してしまう。
 土壌は有機物に富み(肥沃な)、湿り気のある水はけのよい火山灰土質が好適とされる。 カネフォラ種に比べて病害虫に弱く、とくにさび病はアラビカ種に壊滅的な被害を与え、セイロン(スリランカ)やジャワでは生産を断念した。


 栽培地域(コーヒーベルトという)は世界中の熱帯高地に広がっている。生産国は以下の通り。

    • 南米:ブラジル(世界最大の生産国)、コロンビア(世界第2のアラビカ生産国)、ペルー、ベネズエラ、エクアドル、スリナム、ボリビアなど。
    • 北・中米:メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、パナマなど。
    • カリブ海諸国:ジャマイカ、ドミニカ、ハイチ、キューバ、プエルトリコなど
    • アフリカ:エチオピア、ケニア、タンザニア、ルアンダ、ブルンジ、ウガンダ、マラウィ、コンゴ民主共和国、カメルーンなど。
    • アジア:インドネシア、イエメン、パプア・ニューギニア、タイ、ラオス、ミャンマーなど。
    • その他:ハワイ、ニューカレドニアなど
      (大西文明)

参照文献

    • 旦部幸博著『コーヒーの科学』2016, 講談社ブルーバックス
    • 田口護著『田口護の珈琲大全』2003, NHK出版
    • Gordon Wrigley "Coffee" 1988, New York