リベリカ種
リベリカ種 Coffea liberica:
アカネ科コフィア属の種(シュ)。アラビカ種、カネフォラ種とともに、商業的に栽培されるいわゆる三原種のひとつ。
原生息地は西アフリカ・リベリア。気候適性が高く、高温で乾燥した地域にも適応する。樹高は10m以上に達する。種子は大きく肉厚で、特徴的な菱形。苦味が強く、香味はアラビカ種に劣る。単位あたりの収量は三原種の中で最も少ない。
リベリカ種の自生地は西アフリカの低地に散在し、すでに1792年にシエラ・レオネで発見されていたといわれる。1876年にBullとHiernによって記述・命名された。
1870年代半ばから、さび病対策としてインドネシアのジャワ島を中心にアジアのコーヒー生産地域に導入されたが、さび病への耐性は期待されたほどではなく、生産性も悪いため、20世紀に入るとそのほとんどがカネフォラ種に植え替えられた。
現在の栽培地域はフィリピン、マレーシア、リベリアなどに限られ、生産量はごくわずか(1%以下)である。 (大西文明)
参照文献:
- 旦部幸博著『コーヒーの科学』講談社ブルーバックス, 2016
- Gordon Wrigley "Coffee" 1988, New York