さび病

提供:コーヒー歴史年表

 コーヒーの生産に甚大な被害をあたえる病気で、コーヒーさび病菌(Hemileia vastatrix)が原因。

 コーヒーの葉のみに感染して潜伏したまま栄養を奪い続け、木が衰えると菌糸を伸ばし、先端に胞子をつけると葉の裏側にさびのような斑点が現れ、やがて葉が全て枯れ落ち、コーヒーの木自体も枯れてしまう。胞子が飛散することで空気感染し木から木へと伝染していき、非常に感染力が強い。

 一度感染したさび病を治す方法はなく、まん延を食い止めるためには伐採するしかない。

 コーヒーさび病菌は新型が発生しやすく、40種類以上の異なる型が知られている。耐病性があるとされた品種も次第に感染してしまうことがある。

 1867年、アフリカから持ち込まれたとされるコーヒーさび病菌により、スリランカ(セイロン)のアラビカ種のコーヒーの木に壊滅的な被害を与えたことで知られる。 (大西文明)


参考文献:

  • 旦部幸博著『コーヒーの科学』講談社,2016
  • ウィリアムH.ユーカーズ著『ALL ABOUT COFFEE』(1935)山内秀文抄訳 角川ソフィア文庫,2017
  • Wikipedia:Hemileia vastatrix